Monthly Archives: February 2024

令和5年度研究発表会・懇親会

第3支部では今年度も支部に所属する会員の皆さん研究成果の交流を促進し、地域へのデザイン啓蒙を図るための様々な事業を行っています。

第3支部研究発表会

目  的: 研究発表を通し会員や学生の交流を深める。発表内容: デザインに関係したあらゆるテーマを発表対象とした。発表者自身が行ってきたデザイン研究、今後のデザイン研究の方向性・発展性などについて、自由な発想で発表していただいた。

開催日時: 令和5 年2月18日(土)11時~16時45分

内  容: 口頭発表、ポスター発表、表彰

会  場: 愛知県立芸術大学・新デザイン棟

参 加 者: 55名

発  表: 30件(口頭18件、ポスター12件)

概  要: コロナ禍以降、三年ぶり完全対面形式での開催。会長小林先生も参加してくれた。大人数の密集を避ける為、今回は学生発表のみで実施。受付の検温・消毒を徹底や、発表会場を常に開窓して換気、カイロの配布など、万全な対策を取り組んで行った。マスクの常時着用はもちろん、昼食は室外で分散して黙食、優秀発表賞の表彰のみで懇親会はなし。

優秀発表賞受賞者

ユーザーが介入できる余白を残した製品とユーザー満足度の関係調査
黒田 和花 (名古屋市立大学)
アップサイクル事業のモデルケース
原 蒼 (金城学院大学)
440mm Designer
川崎 怜央 (福井工業大学)

運営組織

委員長:黄ロビン(第3支部長、名古屋学芸大学)

副委員長:川島洋一(同副支部長、福井工業大学)

運営委員長: 影山友章(名古屋市立大学)

運営委員:廣瀬伸行(愛知産業大学)、弓立順子(金城学院大学)、楊寧(椙山女学園大学)、村井陽平(福井工業大学)、西尾浩一『名古屋学芸大学)、加藤大香士(名古屋市立大学)(順不同)

2022年度「日本デザイン学会奨励賞第3支部」報告

名 称
日本デザイン学会奨励賞第3支部
目 的
表彰制度による学生の研究・制作活動に対する評価
対 象
日本デザイン学会第3支部会員(教員)在籍の大学院、大学、短期大学において、 特に優秀な研究、制作を行った学生、大学院生
人 数
学部枠2名・大学院前期課程(修士)枠2名、大学院後期課程(博士)枠2名/各所属機関

受賞者:

(順不同)

金城学院大学

アップサイクル事業のモデルケース~自動車の内装廃材を利用した商品開発~
原 蒼 (生活環境学部 環境デザイン学科 空間デザインコース)
推薦者:弓立 順子
SDGsを意識したアップサイクルの商品開発を行った。「誰にでも簡単且つ安全に制作できる」というコンセプトの元に、単にデザイン・制作を行っただけではなく、企業と連携し実践のワークショップを2回開催した。ものづくりを通した教育概念の在り方と、企業の新しい取り組みとしてのデザイン提案ができた。

名古屋学芸大学

エモーストコネクト
小澤 護正 (メディア造形学部 デザイン学科 プロダクトデザイン領域)
推薦者:黄ロビン
ジェンダフリーの時代において、男児・女児専用玩具の境目が無くなりつつある。綿密な意識調査と多量な市場調査・比較によって、男女問わずのヒーロー像を分析・解明。この研究に基づき、男女差のない玩具を提案。物語、キャラクターの設定から、おもちゃをデザインし、遊び方までトータルで考案したことを高く評価したい。
EMIEL
日比野 太郎 (メディア造形学部 デザイン学科 プロダクトデザイン領域)
推薦者:黄ロビン
前期のアンケート調査より、ユニックな2人乗りEVバイクのデザインを提案。運転するライダーを後方に、共乗者を前方に配置し、可変機構による1人乗りと2人乗り共対応できる、斬新なツーリングスタイルを実現。

椙山女学園大学

marble -廃プラスチックを使用した店舗什器の提案-
加藤 舞 (生活科学部 生活環境デザイン学科)
推薦者:山下健
大学の制作授業の過程で毎年廃棄されるPPシートの端材に着目し、端材から板材を成形して文具売り場用の小型什器の制作を行なった。廃プラスチックを利用した提案や廃材から作られる建材の事例は多くある中で、具体的な用途を定めて完成度の高い什器提案であったため、推薦いたします。また、什器制作の過程で出てしまう端材も再成形して、制作に再利用する点も評価しました。
kaleido light -部屋を彩る投影式万華鏡-
山田 玲愛 (生活科学部 生活環境デザイン学科)
推薦者:山下健
壁や天井に万華鏡の像を映す投影式万華鏡の提案である。空間全体に複数の像を投影するために、投影方向の異なる6つの万華鏡をかさ歯車で連結して、ハンドルを回すと複数の像が一斉に変化する機構を制作した。独自の機構を制作し、使用する鏡やレンズについても多くの検討を行うなどプロセス含めて評価し、推薦いたします。

福井工業大学

小説「1984年」をモチーフにしたタイポグラフィ・グラフィック制作
面谷 琢史 (環境情報学部 デザイン学科 メディアデザインコース)
推薦者:村井陽平
ジョージ・オーウェルの代表作「1984年」をモチーフとした卒業制作であり、作成したタイポグラフィ「Orwell」と、画像生成AI「Midjourney」で生成した画像を組み合わせたグラフィックの制作である。AIと人間の共同制作としての表現作品は、未来のクリエイティヴワークのあり方のさきがけとなる優れた制作であるため、彼を奨励賞に推薦をします。
Rakubo 限られた生活空間を活かした創作家具
米田 佳史 (環境情報学部 デザイン学科 都市デザインコース)
推薦者:村井陽平
本制作は、作者が大学生活をワンルームマンションで過ごした経験に基づき、発想されたものである。狭い室内に家具を配置すると、自由に過ごせるスペースが限られる。このことから、収納ボックスをPCデスクや仮眠スペースなど、様々な形態に変化させられるシステムを考案した。また、制作も自身の手で行っており、プロトタイピングを繰り返す中で課題を発見して完成度を高めていった。

名古屋市立大学

“収穫体験のメンタルモデル”を用いた木育什器の開発・検証
清島 樹 (芸術工学研究科 産業イノベーションデザイン領域)
推薦者:影山友章
“収穫体験”という人類が普遍的に備えるメンタルモデルに着目し、根菜を穴から抜き取ったり、果実を木からもぎ取るという新しい什器を創出した。野菜の移動販売車のデザインという産学連携プロジェクトにてそれら実現し、尚且つ、その什器の有効性を客観的に実証できていた点が評価に値する。

名古屋工業大学

芽吹く町薬場
大橋 毅志 (工学部 社会工学科 建築・デザイン分野)
推薦者:伊藤孝紀
地域に根差した風景を上手く活かしながら、農業と薬草、その加工から利用方法と役場機能との融合を図った新規性の高い作品である。地域の活性化と景観形成に寄与する意欲作であることから推薦する。
伝統⼯芸から拡がる居所 −まちで⾒守るフリースクール −
村上 諒叡 (工学部 社会工学科 建築・デザイン分野)
推薦者:伊藤孝紀
社会的に課題である子ども達のフリースクールのあり方と伝統工芸の職人が、空間のなかで連携しながらプログラムを形成する物語的な建築の提案である。京都の特殊地形を活かしながら、課題解決に取り組むためのサードプレイスを標榜した先駆的な空間であることから推薦する。

以上